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なめたらアカン♪ニジマスなめずにハリ巻いて – 箒川C&R、栃木県那須塩原

2021/11/224番タックル,OPST,ウェットフライ,ストリーマー,フライフィッシング,マイクロスカジット,マッチザハッチ,栃木県,渓流,箒川

三連休は初日は仕事に完全につかまってしまい、どこへ釣りに行こうかプランしたのは二日目の昼前でした。私は重度のスギ花粉症なのでこの時期に渓流・本流へ行くのは本来NGなのですが、買ったばかりのOPST「マイクロスカジット」10フィート4番ロッドを試したくて仕方なかったのです。今年はちょうどコロナ対策で買ったN95規格のマスクもあるし、装備的には大丈夫と思って行先をどこにしようかとルートをチェックし出したら・・・なんとどこも真っ赤か!

東名、中央道、関越すべて大渋滞・・・。一瞬東北道を考えましたが、あちら方面の解禁は遅いので行くまでもなさそうです。仕方なく近場の秋川や八王子の管理釣り場へ行こうかと車で出発したところ、首都高速の接続部分で大渋滞・・・。すかさずルートを変更して東北道方面へ。ガラガラの東北道のドライブを楽しみつつ、加賀フィッシングエリアに久しぶりに行くかアウトレットで買い物するか悩みつつ途中の羽生SAで休憩しながら解禁している栃木の川を調べたら、あまりチョイスが無い中で「箒川-ほうきがわ」という文字が浮かび上がってきました。

箒川って良いらしい

どこかで聞いたことがある名前だったので検索してみたら、ティムコの特集やYouTubeでも結構出てくる有名C&R河川みたいです。「那須塩原の温泉街を流れる本流には40cmサイズのヤマメやイワナはもちろん、70cmサイズのニジマスも・・・」という情報があったので、頭の中には「本流=ウェット&ストリーマー楽しめる」「スチールヘッドサイズ」が浮かび上がってきました。これならOPSTロッドが活躍できるに違いない、迷わずに現地の「道の駅 湯の香しおばら」へ向かいました。

「湯の香」って書いてあるから掛け流し温泉があると思ったのに、あるのは直売所だけ・・・。反面ガストがすぐ隣なので、たらふくハンバーグステーキを食べてからベッドメイクしておいた車内へ戻り、ぬくぬくと晩酌しながらAmazonプライムの映画を見ながら寝に入ったのでした。

箒川C&Rエリアのつくり

翌朝は4時過ぎに目が覚めてしまったので、24時間ライセンスを売っているファミリーマートへ向かいます。まだ暗い中で車を走らせていると「ルアー&フライ専用」の旗が見えました。那須塩原の温泉街に突入しつつ、釣りの後はどの温泉にしようかワクワクしていたら、あっという間にファミマへ着きました。

当日券とC&Rエリアのスタンプカード(10回行くと1回無料!)を入手しつつ、釣り場マップを開いてチェックします。最下流の「稚児ケ淵」から「七つ岩の吊り橋」までがルアー&フライ専用のC&R区間の全体に設定されていますが、花見の季節だけ観光客との接触事故を避けるために「錦帯岩」までに限定されるようです。さらに錦帯岩から「福渡橋」まではルアー専用にされています。フライができる場所をまとめると稚児ケ淵ー錦帯岩の「A区間」と福渡橋ー七つ岩の「B区間」に分かれていて大きな移動が必要となります。

ちょっとわかりづらいので、今回は車を「竜化の滝駐車場」へ停めて歩いて釣れるA区間をやってみることにしました。駐車場から川へ降りていくとまず一つ発見。「本流」じゃなくて「渓流本筋」ですね・・・。ツーハンドでスカジットキャストしたら対岸を釣ってしまいますので、シングルハンドの釣り場です。これはこれでOPSTマイクロスカジットならカバーできるので問題なし。

スタート時ではポリリーダーをインタミにして14番のカディス系のウェットをセットしておきました。次の課題はここから釣り下るべきか、釣り上がるべきか。下流側は「布滝」と呼ばれる小さな滝の連続帯となっていてここを降りていくのは大変そうです。しかしその先には深いプールがあるので、後に取っておくことにして小さなランを釣り上がっていくことにします。

OPSTロッドでウェットの釣りを開始

まだ早期の7時過ぎですから瀬の開きに魚が出ることは考えられず、楽に餌が取れるであろう深めのランを狙うことにします。流れが速いのでラバーショットをかましたウェットを小刻みにスイングしてみると、感度の良いティップのおかげで底波の感触とスイング具合が手に取るように分かります。

そうこうしていたらば、岩の影へスイングした瞬間に最初のアタリ!感触では頭を振っているので小さいイワナかニジマスのようです。ファイトへ入る前に外れてしまいました。

次に流しても出なくなったので、足を進めて次のランを探しますがなかなか適当な場所がなく、150mほど歩いていくと流れ込みの下に良さそうなランがあったのでスイングしてみます。流れが複雑なのでなかなか下の流れへウェットをいれることが難しく、ポリリーダーをインタミからタイプ2へチェンジして底の流れへ流していくと・・・ゴンゴン!

ロッドを立てて顔を出したのは30cm少しくらいの元気なニジマス。ネットへ取り込もうとしますが、運動不足のせいかうまく足運びができません。緩い流れの浅瀬へ魚を引き寄せてからもたもたしていたらば、ひともがきだけで外れてしまいました・・・涙。OPSTロッド、感度は抜群ですがちょっと曲がりが硬い気がします。しかし、逃げたニジマスはヒントは与えてくれて、口から何かを吐き出したので岩にくっついたそれらをシャーレにすくってみると、大量のシャック。サイズにすると1cm少しとそれより小さいクリーム色の物が混じっているので、消化されかかったコカゲロウだと思われます。こんなに偏食しているんだ・・・。今回はマッチザハッチするつもりがなかったので対応するフライを持ってきていないので、不安がよぎります・・・。

日が登ってから沈黙

何のかんのと練習を兼ねてウェットでスイングしているとショートバイトはあってもフッキングにさえいたりません。9時過ぎになってやっと太陽が山から顔を出しました。途端に魚が沈みウェットにも反応しなくなりました。ちょうど大きな橋が見える場所が淵の連続になっているようなので様子を見に行くと、ここまで誰も見かけなかったルアーとフライのアングラーたちはここに集まっていました。

水中を覗くといるいる!大きいニジマスは50cmサイズで小さいニジマスも30cmサイズです。どれも沈んでいて水面へは出てこないのですが、あえて人間に姿を晒しているところを見ると、何かのハッチを待っている可能性大です。砂利底の浅瀬に定位している40cmサイズのニジマスに絞って観察してみると、レーンを流れてくる流下物へやる気なさそうに反応していますが一切口が動いていません。今度は深場をウロウロする40cmサイズのニジマスをファジーなユスリカ系で騙して釣ってやろうと、逆引きのソフトハックルで様子を見ますが、少しだけ追ってUターン連続。ドリフターを待っている魚もクルージングしている魚も何かを待っている状態です。2時間近く駆け引きしても全く同じ状態が続きます。

こいつら慣れている・・・。昔、キャッツキルを釣っていた時にもよく遭遇しましたが、C&R区間の魚たちは釣られ慣れてくると基本的には暗い時間に活動的になり、昼間は何かのハッチに偏食します。今朝ばらしたニジマスが吐き出した物から考えると、コカゲロウ偏食の可能性大です。ちょうど暖かくなってきたし、コンビニで買ってきたおにぎりとコーヒーで川を眺めながら休息タイム。すると睨んだ通り、薄いコーンポタージュ色のコカゲロウが1匹飛んできました。

午後からハッチが始まる

ゆっくりと食事しながらフライボックスを覗き込んで悩みます。そもそも私が行く南関東の渓流はヒラタやマダラが多くてコカゲロウがいたとしても捕食されるのはニンフの状態。それも色が濃いので18番サイズのヒラタ・フローティングニンフで足りてしまいます。しかしこの川はカルデラを源にする支流や温泉が流れ込んでいるので、栄養も豊富で水温が安定しているのでしょう。恐らく色が薄いコカゲロウのハッチに遭遇するので、対応しそうなフライはほとんど持っていません。また、午後から風が強くなると予報が出ているので、このままOPSTロッドで続投決定です。ポリリーダーは外して、通常のテーパーリーダーにアンカーを効かせつつドリフトを長くできるようティペットは6フィートにセットしておきます。

さて午後に入ってからC&RエリアA区間の最後となる「向福橋」へ歩いていくと、大きなプールの側で一人のアングラーがトラウトスペイと思しきタックルで苦戦しているところに出会いました。すでに散発的なライズが始まっていて、空中にはコカゲロウが舞っています。30分くらいアップストリームのキャスト練習をしつつ待っていたら「もう手が尽きました。ここお譲りしますので釣ってみてください」とお声がけいただいたので、お礼を言いつつ何を試しているのか情報交換をしたらユスリカやガガンボ対策していたとのこと。ガガンボのフライならコカゲロウのダンに見えますから、それを食わないとなると水中ハッチの水面下に対するライズに間違いありません。

コカゲロウ水中ハッチに翻弄される

ヒラタやマダラ、ユスリカならばストックがあるんだけど・・・

さて、せっかく場所を譲っていただいてドライフライモードに準備完了した時点でここまでの不安が見事に的中してしまいました。手持ちのドライフライで対応できるのはダンばかり、あえて近いパターンといえば#18のCDCパラシュートイマージャーだけですので。ティペットもKen Cube「史上最強!!ウルトラストロングティペット」の0.3号の6フィートに取り替えていざ勝負!

しかし一番元気にライズを繰り返す流心にいるニジマスたちは全く見向きもしません。ほとんどの魚は水面下でハッチをくわえるとそのまま深く潜っているので、底から浮き上がったイマージャーしか興味が無いようです・・・。手持ちのフライでそのアクションをする物は無いので、まずは同じプールでも流心から外れたところやプールのお尻にいる魚ならばマッチザハッチの許容範囲が広そうなのでそっちへ狙いを移します。

しかし、3回に1回くらいはフライのレーンの下に浮いてきますが、マッチしていないのでそのまま沈んでいきます。浮いてきた以上、大きさは合っていて流されてくる物へも反応することになりますから、CDCパラシュートイマージャーの毛をむしってさらにボディーが深く沈むように調整しましたが、今度はなんと無視・・・。沈めば沈むほど誤魔化しが効かなくなりますから、フライのプロフィールに何かが足りないのは確実です。シャックが多かったということは、水面を突き破る前のスティルボーンのステージで食われていることになりますから、ここで#18サイズのスペントがあればイケるのですが・・・やはり売り切れです・・・。

そうしていると大胆な1匹が水面上にポッカリ顔まで出して捕食するようになりました。でも水面にいるダンは一切襲われず、スペント状態で流されてきた物だけ吸い込んでいます。しかし同じ場所へすかさずCDCパラシュートイマージャーを流しても完全に無視。ウイングが出ている状態で、水面を破る前の状態を狙っているのは確実で、対応できるフライが無い以上、強制的に沈めて浮かせるなどあらゆる手を使って2時間近く試行錯誤して最後は諦めました。

ちょっとだけストリーマー

帰り道が本格的に混む前に出発しようと15時過ぎには釣りから上がらないといけないので、ラストは最下流の淵になっている所でストリーマーを少しだけ試して帰ることにしました。ヌルヌル状態のフェルトソールで冷や冷やしながらへっぴり腰で岩をへずってアプローチするだけでかなり時間がかかりました。

行くのも戻るのも険しいルートなので、源流の足運びに慣れていない方にはお勧めしません!

実は朝のウェットフライのセッション中、ショットの重さを決めるために浅い場所にウェットを漂わせていたら、カジカらしい魚がフライを見に来ていたのです。ここならスカルピン系のストリーマーが効くだろうと、OPST福袋の中に入っていたマテリアルで巻いておいたイントルーダースタイルのスカルピン・ストリーマーを使います。

ドライ用のテーパーリーダーを外してタイプ2のポリリーダーにしておきましたが、4番ロッドではさすがに投げづらいです。頑張って滝壺へ落としてから根掛かりしない程度にカウントダウンしてスイングさせてから、最後はラインが真っ直ぐになったところでリトリーブアクションです。3回目のスイングが終わったあとのリトリーブで赤っぽい退色のニジマスがものすごい勢いで追ってきてテールフックに一瞬かかりましたが、弾力ある手応えですぐに外れてしまいました。

出が速いのでティペットが心配でチェックしましたが、携帯しているのは1号ティペットが最強・・・。本格的なファイトには心配な強度ですが、2号や3号をくっつけたティペットホルダーは車に置いてきてしまったし、時間も無いので続行します。

根掛かり・・・?魚だった!

基本的に魚が沈んでいるので、勝負を早めるために対岸近くへストリーマーをターンオーバーさせたら、ひたすらメンディングで沈めていきます。気付いたら15時を過ぎていて、あと3回プレゼンテーションしたら帰ろうと思った瞬間、スイングしているラインが止まりました。水中の岩にひっかけたと思い、ロッドを煽ってフライの角度を変えてやろうとした瞬間、一気に引き込まれてファイト開始。

OPSTロッドは硬いので、フックを弾かれないようにロッド位置を低く構えてロッド全体に魚の重みが乗るように操作します。しかし魚が強い上に連続したガンガン瀬となった滝からの水流も強くなかなか弱ってくれません。1号ティペットを使っているし、急いでいたのでフリーノットの簡易版で結んでいますから切られる前に取り込まないと決着がつかなそうです。なかなか魚がいなせず手こずっていると不意に軽くなってしまいました・・・。ティペットとポリリーダーの結束部からプッツリ切れていたので、ティペット切れでした。魚の姿が見えるところまで行かなかったのですが、噂の大型ニジマスだと思います。確かに場所的には「淵」なので、本流と言えないこともないのかな?

箒川C&Rの感想と撃沈の反省

戻ってくるまでも時間がかかり、結局出発できたのは16:30を過ぎていて温泉は入れず・・・。しかも興奮のあまり花粉症対策のマスクを完全に忘れていて、目の痒みとひどいくしゃみで帰りは東北道で休憩したり渋滞調整したりしながら帰る羽目になってしまいました。帰宅したのは22:30頃に・・・。結果も撃沈だし反省です。

箒川C&Rですが、最初にマップを見たときには流域が狭いかなーと思いましたが、ポイントの変化も大きいのでこれくらいでも飽きずに楽しめていい作りのコースだと思いました。正直甘く見てかかっていたので、「ウェットで釣り抜いてやれ」くらいに思ってスタートしたらば、マッチザハッチに適した川であることに驚きました。最下流の場所へは源流や磯の足運びに慣れていない人は入りづらいのですが、流されてきたニジマスが溜まっているので、しっかり狙えば相当いいサイズが潜んでいる可能性大です。

東北道からのアクセスも良好だし、24時間ライセンスを買うこともできるのでオススメです!

あったら良かったフライ

でもフライはちゃんと用意して行きましょう。今回タイング道具を車へ積んで行かなかったので、帰宅してからあわててコカゲロウ対策フライを補充した私でした。アウェーの釣り場って発見が得られるので大事ですね。スティルボーンやスペント、水面下のイマージャーをカバーできればライズは取れると思います。

バックフロート・イマージャーの色違いとスティルボーン系

タックル情報

今回はこんなタックルで課題山積。ここ10年以上、ソルトがメインにすえられてきていたので歯ズレ対策や保管中の耐久性を優先して全部のティペットをフロロカーボンにしていましたが、これをトラウトやバスの釣りでは見直す必要があると思いました。

  • フライロッド: OPST Micro Skagit 10′ 4wt
  • フライリール :Bauer McKenzie Xtreme Perfect (MXP) #3、30lbダクロン バッキング
  • シューティングライン:Ken Cube EX シューティングライン フローティング .022
  • スカジットヘッド:OPST Commando Head 175グレイン
  • ウェット用シンクティップ:Airflo Trout 10′ Polyleader インタミ、スローシンキング(S2)
  • ウェット用ティペット:シーガーエース 0.5号、1.0号
  • ドライ用リーダーシステム:Maxima 9フィート 5X
  • ドライ用ティペット:Ken Cube ストロングティペット0.3号サスペンド

まずロッドの硬さに加えて渓流の水流と魚の速さによるショックをフロロカーボンでは吸収できておらず、アンカー中に切れてしまったり、魚の抵抗を吸収できずに弾いたりしていました。挙げ句の果てはストリーマーを流れの中で使うのに1号ティペットでやっていたという痛恨のミス。湖では細いラインで大きなニジマスやホンマスも取れていたことから錯覚していました。魚の引きに水流が加わる川ではフロロカーボンは伸びないのできっちり耐久性を超えた時点で簡単に切れてしまいました。

まず1号=4lbテスト以下のティペットは長年愛用したフロロカーボン「シーガーエース」をやめて最先端ナイロン「サンヨーナイロン GT-Rナノダックス」に変えます。ソルトでは使わない2号=8lb、3号=12lbについては村田基さんプロデュースのバスフィッシング向け「サンヨーナイロン Applaud Z06」へ。これらは100m巻きなので、痛んだらどんどん変えていくことにします。