コロナの恐怖を吹っ飛ばせ!ナイトシーバス@横浜
世間はコロナウイルスで騒然とする中、3年ぶりにシカゴから仕事で来日したベンさんから、前回の「ヤマメ釣って帰りたい」を上回るタイトなスケジュール(今回はわずか3日間滞在!)の合間に「東京じゃ無いと出来ないフライフィッシングを見繕って欲しい」とのことで久しぶりのバイリンガルガイドで、彼の求めるものをフライフィッシング・カルテに落として、スケジュール調整出来るものを色々苦心した結果、今回はナイト便のボートシーバスをやろうと言うことになりました。
鉄板のキャプテン
普段はミシガン湖のスチールヘッドのフライフィッシングをやっていて、魚へのプレゼンテーションは天性の勘所を持っているベンさん。ソフトスキルが高い人はハードスキルをサポートすれば良い結果を出しやすいので、ベンさんのカルテをじーっと見ながらどのシーバスキャプテンが良いか悩んだ結果、私的にフライフィッシングのためのボート操船だけでなく、アメリカ人がやりやすいバスボート的なゲーム運びが備わっている疑いなく「ナンバーワン」のPallas FGS鹿内キャプテンに決めて連絡しました。ベストなコンディションを考えて返事をくれるまでは予約が取れるかドキドキでしたが、無事に予約が取れたので私も使うフライとタックルなどの準備を。
鉄板のタックル
ナイトタイムのフライフィッシングも初めてならば、風がある場所でボートからストリーマーで釣るゲームも初めて、シーバスのような捕食タイプのプレデターも初めてと完全にビギナーのベンさんです。ハードスキルはなんとかするのがキャプテンやガイドの役割ですから、プレゼンテーションから逆引きして風の中での直進性と確実なターンオーバー、スズキサイズとのファイトで主導権を取るために「粘りのあるシングルハンド8番タックルに1番手オーバーライン」をメインに、ナーバスで魚の出が悪い時のために「シングルハンド6番」をサブで持っていくことにしました。
ソフトスキル目覚めの儀式
彼のもつソフトスキルをこのシチュエーションにフィットさせるためにホテルへ早めに到着してまずはコーヒータイムにブリーフィング。さらに横浜へ走る車内で夜景を見てもらいながら「夜は距離感が掴みづらい」「風が吹くボート上はフライラインが見えづらくなる」「吸い込みストライクの魚はロッドでフックセットしようとしちゃダメ」という「NO」を3つだけ絞って、あとは戦意高揚のエピソードを重ねてから、フィールドでサポートです。 到着してから速やかに乗船して発進!
まずはプラクティス
鹿内キャプテンから今後風が強くなっていくことを聞いていたので、まずは距離感を掴みやすい場所からプラクティス。小さいシーバスがたくさんいますので、ミスキャストやミスフックでプレッシャーが一気にかかってしまいますが、後から確実に来るであろう勝負所のために、一連の流れの把握とフライへのストライクの感触がどんな感じかを経験してもらうまでは小さいシーバスが何匹散ろうが構わず予行演習。段取りを熟知したキャプテンが操船で優しくサポートしてくれるので、安定したプラクティスができました。
さらにウォームアップ
その後は明暗部を丁寧に攻めるポイントを数カ所回りながら、一つずつ「NO」を克服して小さいセイゴサイズのシーバスでウォームアップ。一匹一匹が大事な局面です。シーバスが面白いのは、小さい魚がいる場所にも必ず大きいのがいるところ。なぜかキャストが上手い人ほど無用にテクニカルな場所へキャストしたがるし、経験を積んだ人ほど見切るのも早いのですが、魚って生き物なのでいる時にはいるんです。小さい魚への集中力が必ず大きい魚へ繋がると信じて毎回のプレゼンテーションを通してベンさんの勘所をこの釣りへ同期させていきます。ハードスキルが足りないところはキャプテンがしっかり操船サポートしてくれますから勝利は必然だと言えるでしょう。
そして女神は微笑む・・・のか?
とある場所でも最初に出るのは小さい魚だったのですが、凹みになっている場所に怪しいナーバスウォーターが見えたので、ベンさんへ「そこは集中してフライを失敗無しで入れて!」とリクエストしたらば・・・フックセットが決まった直後のラインハンドがピタッと止まっているので「これは良い魚だ!」と判断して、ベンさんへ目で合図しながら「これ今夜のベストフィッシュだと思う」と伝えて、ラインがタイトなままロッドを流れの下流側へ横に倒してもらってファイトへ備えます。
使い慣れたボロンロッドなので、ティップの引き込みでこれは今までのサイズから一気にランクアップしていると確信して、不安な表情を見せたベンさんに「このロッド生涯保証だから折っていいよ!」と安心させてから、ロッドのバットパワーに任せて魚が浮くまでゆっくりと重みをのせるスローリフティングと、魚が突っ込んだらロッドティップを海へ突っ込む覚悟でロッドを曲げてもらって、無理せずロッドパワーでプレッシャーをかけ続けてキャッチしたのは・・・?
ジャジャーン!!メジャー計測62.5cmの「スズキ」クラスの立派なシーバスです!!
セイゴサイズからフッコサイズをスキップしてこのサイズ。やっぱりソフトスキル高いんです。
私も肩の荷が降りてハイファイブとフィストタッチの連発!ちょっぴり強面の鹿内キャプテンも快心のスマイル(わかる人にはわかる)です!
シェードゲームとサーフェスゲーム
満足の行く一匹を手にした後は、強くなっていく風の中を苦戦しながら鹿内キャプテンの組み立てで「明暗シェードゲーム」だけじゃなく、「船サーフェスゲーム」も体験してもらってキャッチを続けてちょうど15匹をキャッチ&リリース!久しぶりのボートでフライ交換やラインメンテナンスなどの作業があった私も気持ち悪くなっていたのでキリが良いところでストップ・フィッシングでした。シーバスは良いけどリバースは困るよね?
ドックへ帰還する頃には持ち直して、大健闘のベンさんと最高のキャプテンの記念撮影。出船前は「横浜ってあのダイヤモンド・プリンセスがいるよね・・・?」と不安がっていたベンさんでしたが、楽しい思い出を胸につめて帰国の途についたのでした。めでたしめでたし!
今回のタックル
シングルハンド8番タックル
1番手オーバーラインしましたが、沖縄などで使ってきたクリアーインタミだったのでボート上、それも夜はもっと見易いラインが必要だと思います。
- フライロッド: R.L.Winston Boron II-MX 908-4
- フライリール :Tibor Everglades (30lbダクロンバッキング)
- フライライン :Scientific Anglers Cold Saltwater WF9I
- リーダーシステム:80lb x 3 -> 60lb x 3 -> 32lb x 3
- ティペット:16lb x 3
- フライ:ゾンカーチャーリー #6、ゾンカー #2、不沈ミニペンシル・サスペンド#2
R.L. Winston BoronとTiborの鉄板コンビ
同じ8番コンボでは、必ず強い風の時間が来る沖縄のソルトフライで使いやすかったです。