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北海道ツアー6日目:釧路 – 尺別川下流とサーフ「海サクラ」

2023/01/17キャンピングカー,サクラマス,フライフィッシング,ヤマメ,ユーロバン,北海道,釧路

朝起きて厚内港をもう一度チェックしましたが、やはり魚の気配が全くなし。釧路入りすることにしてキナシベツ湿原の先へ直別川という良さそうな川の河口がありますが、アプローチのルートが見つけられず、その次の尺別川のサーフを目指します。

尺別サーフへのエントリーで悩む

サーフへエントリーするダート道は見つけましたが、凸凹が激しく水も溜まっていますので車への影響を考慮して手前へ止めて周囲をドローンで探ります。やっぱり慣れない場所でドローンは大助かりです。

「母船」から偵察機が出動!

ところがドローンの映像だけでは先ほど諦めたサーフへのダート道以外は安全なルートが見つからず(実際はさらに西の小高い丘の手前にもう一本海岸へ出るダート道がありました)、浅い川がゆったりと流れているので、このルートをウェーダーで歩いて海岸へ出ることにします。

ドローンの空撮はアプローチに便利!

昨日の豊似川では良いサイズのヤマメが下流ギリギリまで降りてきていたので、サクラマス・ヤマメの生態を確かめようと思い、スイッチハンド4番で川を釣り下りながら、海岸へ着いたらツーハンド8/9へチェンジする作戦にしました。

尺別川を無視することができなくて・・・

タイミング良くキタキツネがいて、私に驚いて川へ降りる切れ目へ姿を消します。私もそこから川へ降りてすぐに気づいたのは・・・魚の匂いがプンプン漂っています。まるで放流日の渓流の魚が溜まっているポイントのように匂いがするので、これは群れが流れに入っているのに違いありません。

関東でヤマメを釣っている人間の貧乏性なのですが、7月なんて普通は苦労して林道と渓流を交互に歩いて1ポケット1ポケットを丹念に攻めてやっと1匹を釣るので、こんな良い場所を見ると我慢できません!釣り下るのは撤回し、一応ヒグマ対策でドローンで偵察してから念のために手も叩きながら注意深く1-2km釣り上がってみます。

上流側は線路の向こうの小高い丘までずっと川が続く

ライズは見かけませんが、浅瀬をカゲロウがちらほらとハッチしていて、そのすぐ後に深くなっているポケットを見つけました。90%の確率でここに魚の群れがいます。ニジマス?アメマス?ヤマメ?ウグイ?豊似川の経験では海そばの下流に良いサイズのヤマメがいたので、ヤマメを想定してウェットフライを沈めて縦に送り込んでターンさせてみると・・・3回目に強い引き込みが!

ローリングするので確実にヤマメですが、思いの他良いファイトをします。ランディングしたら22cmのヒレがしっかりした綺麗なプロポーションのヤマメでした。口やヒレの一部に黒くサビが入っていますが体は綺麗なヤマメ模様。川に居残った個体ですが、顔つきはサクラマスに似てきているので、ひょっとすると一度上流から降ってきたけど、下流の餌が豊富なので居着いた戻りヤマメかもしれません。ま、これが最大サイズなんだろうなーなんて軽く見てたら意外なことが。

似たようなポイントからは合間にサビの入らない20cm前半サイズが混ざりますが、25cmサイズのヤマメも釣れてきます!どれもプリプリに太っているのに全体にサビが入っていました。

この後、深めのプールで27.5cmは確実にあるサイズの銀色のヤマメがドライフライにがっぷりと出ましたが、口切れしてしまいました。大きい魚ほどサビが強く入っているようです。

次から次へと釣れてしまうので止められなくなりましたが、2kmほど釣り上がって大中小30匹くらいキャッチ&リリースしたところで最大サイズはこの26cmのヤマメ。こちらは体がパンパンでパーマークも綺麗に出ていますが、下流側にいるヤマメよりも優しい顔つきでサビも少なめで体に対してヒレも小さめです。

釣っている時は嬉しいだけですが、普通このサイズに育つには2-3年は生きていないと無理なはず。繁殖に参加したら死んでしまうのに、立派な体格で繁殖相手からも人気なサイズで残っていないはずのヤマメが数釣れるって釧路は天国?それとも何か自然環境へ変化が起きているのか?

尺別サーフのサクラマス

このままヤマメが永遠に釣れつづけてしまいそうな感じなので、本来の目的を思い出し、尺別川を再び注意しながら歩き下ってサーフへ出ます。この日の尺別川はシカとキツネの足跡しかありませんので一安心。

右岸へ出た直後に朝一から左岸の海岸で釣ってきたルアー・アングラーたちとすれ違い、50cmはありそうなサクラマス2匹を袋にぶら下げて戻ってきます。私から見ると羨ましい限りですが、「いやー厳しいよ、隣りの音別川の海岸はサクラマスがずっと跳ねているけど数は去年の半分もいないね。こっちは濁りもあるしもっと厳しいよ」とのこと。

しかし、苦労して出てきた海岸は沈めてもフライをロストしづらい綺麗な砂浜だし、波の高さも十勝とは比べ物にならないくらい穏やかだし、濁りもきついようには見えないのでゾンカーを結んでオーバーヘッドキャスト開始。1時間、2時間、3時間・・・と杭になって頑張りますが左岸には先行者がいて入れないし、手段を選ばないアングラーに至っては河口の波打ち際の流れにルアーを入れています・・・。オイオイ、それってブラックに近いグレーだと思いますが、そこに着く魚を狙う以外に打つ手がなくなってきたのは事実。私もプライドにかけて河口にこそ打ちませんが、右岸でフルキャストして潮に載せて左へ流しながら沈めて河口からの流れ出しの底へラインを入れていきます。

これで仮に釣れてもスレがかかりは確実・・・。止めよう・・・いや、口を使うかもしれないじゃないか。ダメだこんなことやっちゃ!でも、リリースするんだから1匹だけでも姿が見たい・・・。なんて葛藤をよそにサクラマスは始終無反応・・・。気がついたら4時間経過して川を歩いてきた脚もガクガクになってました。そんな時にソルト用に決して適しているわけではないLaser Lineにクセがついてきたのでライントラブル多発・・・。これだけヤマメがいる川の海岸なんだから、絶対にサクラマスもたくさんいるはずだと焦っていたのでなかなか解消できません・・・。

運悪くそこへ沖から入ってきた大きめの波が直撃・・・。思いっきり足を取られてすっころびましたが、河口の流れへ転んだのですぐに立ち上がれず、少し流されて水泳するハメに・・・。フローティングベスト着ているから良いですが、ウェーダーの中まで浸水してビチョビチョになるわ、ベストから転げ落ちたスイッチハンド4番用のポリリーダー用のワレットとシューティングヘッドスプールがあっという間に流されてしまいました・・・(泣)。もう気分は最悪ですが、直前にヤマメをいじめまくっただけでなく、サクラマスに対してやましい心を起こした天罰でしょう・・・。

結果は全く歯が立たず完敗・・・。二連敗です。またもおろしたてのBeulah 8/9には入魂できませんでした。

サクラマス少ないと大きいヤマメが多い?

北海道でサクラマスの遡上で定評がある河川は、あまりヤマメのサイズが大きくない、というのが定説です。ところが豊似川も尺別川も河口そばまで良いサイズのヤマメが泳いでいます。

今回、到着後に過去3年間平均と今年6月の水温差をチェックしましたが、太平洋側は2-3℃高く、オホーツク側も1-2℃高いというデータだったので、温暖化の影響で冬の寒さも緩やかになっていて、川の栄養状態が良いから冬越しのヤマメが海へ降らずにサクラマスになる数が少ないのかもしれません。ここではサクラマスの姿を見ることができなかったので、確証はこの後に持ち越されることになります。

音別川のサーフへ移動&翌朝の準備

歩き疲れ、立ち疲れ、投げ疲れたところでずぶ濡れになってしまったので、この日は釣りは切り上げて音別川のサーフへ移動しました。ドローンを飛ばして無理なくアプローチできるルートの確認と停泊スペースを確認してからサーフ手前のダート終点へ。

夕方から雨が降るようなので、偵察を兼ねて海岸へ流木の薪集めに向かいます。十分に集めてから焚き火で冷えた足を温めます。

折れた心は十勝ワインと十勝チーズで癒します・・・。

薪を集める時に気になって見ていた海岸では1匹のサクラマスが確かにドルフィンスイムしていました。ここでツーハンド8/9のラインシステムをS1/2にポリリーダーで沈めてストリーマーを泳がす作戦から、スカジットヘッドにフローティングティップでフライを漂わせて食べさせる作戦へ変更。適したフライが無いのでこれまでのインプットから考えますが・・・凹んでいるし何も浮かびません・・・。

短絡的な発想ですが、ヤマメが10番のウェットフライで爆釣なんだから、サクラマスなら6番のウェットフライでどうじゃ!?

車へ遊びに来た海サクラのベテランさんが私の折れたハートへ「いやー、よく釣れた10年前と違ってフライじゃやってらんないよ」、「アメマスも減っちゃってサクラマスも減っちゃって」、「ルアー持ってくるべきだったよ」と慰めるどころかトドメを刺してきます・・・。極め付けは「そうそう、音別川はヒグマどこにでもいるからね!海岸も来るかもよー?」・・・。もうやってらんないので聞き流しながら、夜中に七夕の星空を撮影するためにアラームセットして酒かっくらって早く寝ました。

しかし・・・夜中に起きたら一面の霧雨!星なんか見えないのでふてくされて翌朝の最終決戦に備えます。

タックル情報

スイッチハンド4番タックル

  • フライ:フェザントテール・パートリッジ10番
  • ティペット:Seaguar Ace フロロカーボン0.5号
  • リーダー:Tiemco O&D 10フィート 3X
  • スカンジナビアンヘッド: Scientific Anglers アトランティックサーモン ショート SH4/5 フローティング
  • ランニングライン: Ken Cube EXシューティンライン フローティング
  • リール: Nautilus FW5
  • ロッド: OPST MicroSkagit 10’0″ 4番

ツーハンド8/9番タックル

  • フライ:スイングリーチ
  • ティペット:Seaguar Ace フロロカーボン2号
  • ポリリーダー:Airflo サーモンポリリーダー 14フィート スローシンキング
  • スカンジヘッド:Scientific Anglers アトランティックサーモン S1/2
  • ランニングライン:OPST レーザーライン 40lb※
  • フライリール: Tibor Riptide
  • フライロッド:Beulah G2 Platinum Spey 13’8″ 8/9番