北海道ツアー4日目:日高/十勝 – えりも町、日高幌別川支流シマン川、十勝広尾
夜中トイレに起きた時にシングルハンド6番タックルを組んであったのですが、ソルトフライ最高のチャンスを見逃すどころか、朝は8時過ぎまで寝てしまっていました。ダラダラーっと朝食の準備をしていると雲が晴れてきて、天気が良くなりそうな一日です。どこかで教会の鐘の音が鳴ります。そうだ、今日は日曜日か。礼拝も行かないのだから釣りなんて勤勉なことしなくてもいいやー、なんて堕落したことを考えてしまいます。
自炊するのが面倒だったので近くのセブンイレブンで買ってきたのはこれ。
いつでも食べられるコイツをわざわざ日高で食べるのか・・・。でも十分に美味しいので、2日に分けて食べるつもりがエスプレッソと一緒に2パッケージ食べてしまいました・・・。
頭の中には海サクラのことがモヤモヤしているところに、このパッケージを眺めたものだから、「そうだ!明日は十勝の海岸で海サクラやろう!」と単純思考は簡単に結論を出します・・・。
えりも岬はエンターテイメント
めちゃくちゃ天気が良いので日曜日のお散歩的はえりも岬まで行ってみました。ソーラーパネルで充電する良いチャンスでもあるので、日当たり良好な場所で、昼寝したくなったら困らないようにフラットな場所を見つけてはみ出し駐車します。
岬は壮大な日高山脈が海の中に沈み込んでいる、と言った風景ですが、高所恐怖症の私は写真だけ手早く撮って「襟裳岬風の館」という観光施設へさっさと入ります。
施設の中では私の大好きな記録映画やら歴史年表やらが満載なのであっという間に1時間が過ぎてしまいますが、忘れてはいけないのが、えりも岬に生息するゼニガタアザラシの観察。風の館には大きな窓が岬先端へ向かって作られていて、快適な館内から望遠鏡を使って観察することができます。ゼニガタアザラシは「ゴマちゃん」で有名になったゴマフアザラシの仲間で、唯一日本で定着しているアザラシと言われています。
他のお客さんが退室して私一人の貸し切りになったので、スナイパースコープならぬ望遠鏡に目をしっかり押しつけて、トレンチコートを着たインタポールの警部を・・・いえ、岩と同じ色で見つけづらいゼニガタアザラシを左端から丹念に探していきます。想像よりも遠くに群れがいたので、見つけるまで10分くらいかかりました。「いたいた!ゼニガタのトッツアァーーん」なんて呟きながら、iPhoneのレンズを押しつけて写るかどうか試行錯誤。普通はこんな事しないと思いますが、私はその昔ライトフィールドカメラなるけったいな光学カメラを売っていた身です。レンズなんてのは口径が合えば写るんだよ!ケラレは酷いですが一応撮影できました。
高所恐怖症の私でも楽しめるアトラクションが多くて、昼寝タイムなんてとる暇ありませんでした。そんなこんなで、えりも町へ戻ったのは14時前くらい。再び「銀寿し」で美味しいお昼ご飯を食べながら、どのコースで十勝へ出るかマスターと相談します。「白い恋人」のパッケージで有名なハート型の湖にカヤックを浮かべてのんびり釣りをしてから、広尾町の海岸線に出て海サクラ戦線へ参加するのはどうか・・・。マスターの意見を聞くと、「そんなクマしか居ないような所じゃなくて、天馬街道が良いよ、日高山脈の雄大な景色も見れるし、途中で野生のニジマスも釣れるし」とのことで、馬に始まり馬に終わる日高地方、とまとめるために「天馬=ペガサス」コースを取ることにしました。
天馬街道の道草でシマン川(日高幌別川の支流)
一旦海岸線を北へ戻ってから、お馴染みの日高幌別川に戻ってきました。一応ダメもとで河口を覗きましたが鳥さえ居ません・・・。天馬街道(国道236号線)を十勝方面へ走り、保護区域最上流である本流・春別川と支流のメナシュンベツ川、シマン川との合流点へ向かいます。
メナシュンベツ川の方が川幅も広くて流量も多そうで釣ってみたかったのですが、先行者の車が2台止まっていますので、一つ上のシマン川へ入ることにしました。タイヤ痕はありますが、砂利トラックのものでこちらの支流は人気が無いようです。
日高幌別川本流はここから上流が春別川と名前を変えます。本流は西舎橋からこの合流地点までが保護区域とされている河川だけあって、こちらの方が流量もあって河原も開けていて良い釣り場だと思いますが、サケマス育成ひいては野生動物のための漁場と理解して、スイッチハンド4番タックルを使ってシマン川をドライフライやソフトハックルで釣り上がってから、早めのイブニングタイムとなる帰りに合流点近くのランを居残りアメマスやニジマス狙いでスイングで釣り下るプランでいきます。
最初のカーブから小さいヤマメが流心、エゾイワナが流れの脇に見えるという魚影の確かさ。でも東北の渓流っぽい流れが続きます。
最初の1.5kmくらいはエゾイワナが多い区間でした。この写真の魚が最大で22cm。CDCカディス14番でも食べ損ねるので、去年東北でワンフライトして好調だったストラグルスパイダー18番を使いました。
次の1.5kmくらいは掌サイズのヤマメが連発。エゾイワナも出てきますが、どんどん魚がサイズダウンしていき、針掛りしなくなったので、最後は18番のソフトハックル・ユスリカを使ってヤマメとイワナが空を飛ぶ状態・・・。さらに枝分かれする沢も美しい森の中へ伸びていますが、このサイズの魚を釣り続けてもキリが無いので、流木が重なったビーバーダムみたいな場所で森林浴&コーヒーブレイクしてから、小刻みなスイングをヤマメやイワナ相手に練習しながら合流地点のランまで戻ります。
上流では雨が降っているのか、少し水量が増えています。でも支流から流される小さいヤマメやイワナを食べにアメマスがやってくる、というよりも、イブニングハッチを狙ってニジマスが上がってきそうな場所です。それでも100mも無いようなマイクロ・ラン・・・。こんな小場所はやっぱりやめようかと思ったら、ちょうど17時半でヒラタカゲロウらしいハッチが散発し始めました。フェザントテール&パートリッジ10番を結んで細かくスイング。このスイッチハンド4番タックルはコンパクトに釣れるスカンジショートで組んであるので普通のツーハンドの3倍は流せます。
完全に暗くなる前に天馬街道の十勝サイドを流れる渓流を目で確認したかったので、9回流したら潔く上がると決めて最初のマイクロ・スイングは木っ端ヤマメ!オートリリースして続けますが、2回目、3回目とも無反応。あと6回も真面目にやるのが馬鹿らしくなって、一気に大きいスイングで勝負するため、大きく送り込んでターンをさせたところ、スイング開始直後にリールからラインを引き伸ばす強いアタリ!おお、こんな大きな動きが好きなんだ!?これはワイルドレインボーに間違いありません!
このOPST Micro Skagit スイッチロッド4番はスイッチといっても、シングルハンド4番ラインに合わせて作られているので、流れに入ったワイルドレインボーにグングン曲げられてスリル感が半端じゃありません。そうしていると最初のジャンプ!40cmはありそうなサイズですが、さすが北海道のワイルドレインボー、身軽に2回転ジャンプで歓迎してくれます!見惚れていると、さらにラインを出されて一旦は本流へ入られてしまいます。
流れに入って安心したのか大人しくなるレインボーですが、この合流地点で釣ってしまうと規則違反。なんとかロッドに重さを載せてリールファイトをしながらシマン川のランへお戻りいただきます。取り込もうと油断したら、今度は支流の上流へ走るので、走って先回りして少し疲れさせてから浅瀬へ誘導してネットイン。ジャスト35cmのワイルドレインボー、満足のファイトでした。
OPST Micro Skagit ロッド、面白いです!エド・ワードが「Lively」と呼ぶティップから魚の躍動感がピクピク伝わってくるアクション。1ピクも漏らさず日高トラウトたちに遊んでいただきました。
日高山脈越え
天馬街道へ戻ると並行して流れているメナシュンベツ川はやはり美味しそうな流れで、もったいないと思いつつ先へ。どんどん山深くなっていき、高所恐怖症の私には背筋に寒さが走るようなコースが続きます。
とても美しい山並みなので、ミラーレス一眼でもたまらずパチリ。
そのうちに日高山脈を貫く長いトンネルに入りました。あまりに長いので途中で転回するための横穴が何箇所も空いています!
トンネルを出てしばらく行くと、大きな岩がゴロゴロ転がる、南アルプスとかの渓流好きの人ならよだれが出るような荒々しくも優雅な渓流が並行して流れています。豊似川です。さらに先の駐車場でコーヒーブレイクしていたら、十勝最初のキタキツネが会いに来てくれました。餌がいいのでしょうか?犬くらいの大きさがあります。この後、毎日必ず一回はキツネと遭遇することになります。
十勝の広尾町に入ると馬ではなく牛の牧場が広がっています。山が少なくなっていくので、海が近づいているようです。ひたすら真っ直ぐに走って海サクラを狙うサーフのある海岸まで突っ走ります。
最後には牧場の合間の細い道となったので、海岸の見晴らしの良い丘の上に停泊することにしました。
今夜は満月なのでキラキラ光る太平洋を眺めつつ波の音と共に晩酌。ほろ酔いしながら気持ちよく眠りにつきました。
タックル情報
スイッチハンド4番タックル
- フライ:ストラグル・スパイダー18番、ユスリカ・ソフトハックル18番、フェザントテール・パートリッジ10番
- ティペット:Seaguar Ace フロロカーボン0.5号
- リーダー:Tiemco O&D 10フィート 3X
- スカンジナビアンヘッド: Scientific Anglers アトランティックサーモン ショート SH4/5 フローティング
- ランニングライン: Ken Cube EXシューティンライン フローティング
- リール: Nautilus FW5
- ロッド: OPST MicroSkagit 10’0″ 4番