ピーコッククイーン改
ヒゲナガシーズンはもちろん、ハッチが無い時でも春〜秋を通じて本流で使って効果の高い、大型ウェットフライ、それがピーコッククイーンです日本独特の流れの速い本流でもしっかりと水流を受けて無用なロールすることなくレンジをキープし、ヒゲナガが生息する場所で水中での存在感と動きが高い精度で再現できることで、スイングの釣りで性能を発揮します。
沢田賢一郎さんのオリジナルから派生した6-8番に巻くバージョンからマテリアルを5種類に絞り込み、流れの速い本流でのスピード感ある泳ぎと耐久性UPのためにアレンジ。刺さりとホールド力に優れた競技用バーブレスフックにドレッシングしたバージョンです。
フライの特長
全体のフォルムはイブニングなど暗い時間ではヒゲナガそのもの。タグの存在でピーコックソードのテールが絡みづらく後ろから追ってくるトラウトを魅了し、硬く浮力の強いピーコッククイルの姿勢制御・水押し・咥えた時の触感、本流の押しの強さに負けないパラっと固めのヘンフェザントブレストのレッグの動きのリアリティ。仕上がりのエレガントな美しさも含めて、パーフェクト・フライと呼んでも良い完成度のジャパニーズ・クラシック・ウェットです。
フックを競技用バーブレスに
基本的にヘビーワイヤーのフックには巻かないパターンなので、スタンダードワイヤーでできたフックの中からバーブレスのものを探すと、コンペティション用のHDS ウェット&ストリーマーフックが向いています。ヒゲナガ用には6-8番、小型ヒゲナガや他のセッジ(カディス)が混ざる場合は10-12番に巻くのも効果的です。
このフックはバーブレスで魚にも事故の際に人間にも優しいだけでなく、刺さりやすいようワイドゲイプで作られて、バラシづらくネムリが入っっています。
タグとリビング
ラウンドワイヤー0.2mmのシルバーを折り返してツイストさせることで、光沢の美しいツイストティンセルを作ることができます。
フックサイズに応じてフックポイントよりも2-3mmほどベンド寄りにツイストの先端を取り付けます。
隙間を空けずタッチ&ターンで巻いていくことで、サーモンフライっぽい美しいタグの完成です。
続いてリビングで使うラウンドワイヤー0.2mmをシャンクの下側に取り付けておきます。
テール&ボディ
テールで使うピーコックソードを左右対称にステムごとカットしておきます。
切り出したピーコックソード先端を合わせてペアリングさせたら、最も長い部分がシャンクと同じ長さまたは少し長めになるように取り付けます。
固定できたら余分をステムごと切り取ります。
シールズファーのダビングで、ソラックス部分までを緩やかなテーパー状に形成します。
ワイヤーをダビングと反対方向の回転で5-6回で巻きつけてリビングして補強します。
適度な長さのヘンフェザントブレスト(ウイングの根本でもOK)をハックルとして取り出したらば、根本の不要な産毛を取り除き、先端を三角形にカットしておきます。
2、3回転で巻きつけるので、おおよその位置を逆算してハックルの先端を取り付けます。
毛先の動きが良くなるようにタッチ&ターンでハックルして固定します。
シャンクより上側のハックルファイバーを指で下へ撫で付けてスロートとしてセットします。
ウイングの取り付け
ピーコッククイルは固めで空気を多く含んでいるため、ウイングとしてセットすると巻き痩せしやすくなっています。ゲイプの幅をゲージ代わりにして左右ペアを抜き出します。
スレッドハンドでペアリングしたウイングをシャンクに乗せて位置決めをしたら・・・
マテリアルハンドに持ち替えてしっかりと保持し、指の間にスレッドを一回転掛けてから、2回転目でゆっくりと時間をかけて繊維の中の空気を逃すように締め込み、3回転目と4回転目で固定します。
ウイングがシャンクの真上に固定できていない場合は、両手で保持しながら位置を直すか、一旦解いてセットしなおします。
位置が気に入ったら、スレッドをウイング前方の下に滑り込ませてカット準備。
先端の細いシザースを使い、ウイングの余分を斜めにカットします。ウイング側に余分な空気が残っている場合は、両手でウイングを保持しながら形を崩さないように圧を掛けて空気をヘッド側に逃して整えます。
ヘッドを形成したらウィップフィニッシュしたらば完成。ヘッドを強化するためにUVレジンのソフトタイプを塗って硬化させます。
(ハードタイプは魚に食われた時にウイングの根本が食い込んで壊れやすくなるのでNG)
マテリアル
フック:ドヒーク HDS #6, #8
スレッド:ドヒーク NVスレッド 14/0 ブラック
タグ: ラウンドワイヤー0.2mmシルバーをツイスト
テール:ピーコックソードをペアで切り出してマッチ
リビング:ラウンドワイヤー0.2mmシルバー
ボディ: シールズファー オリーブまたはゴールデンオリーブ
スロートハックル:ヘンフェザント・ブレストまたはウイングの根本
ウイング:ピーコック・クイル
ツール
ソフトにテンション調節ができるボビンホルダーがベストマッチです。
使い方
スイングの釣りで使います。底からハッチして岸まで泳いでくる動きを再現するために、流心の反対側へキャストしてフライをしっかり沈めてから、下流側へメンディングして大きく手前の岸までスイングさせます。
魚が追いきれない場合は、流心から手前側へフライが入ったタイミングで上流側へメンディングして速度を落としながらスラックが出ないように小さくストリッピングしながら誘います。
活性が高い場合は余分な動きをかけずに、流心よりやや手前のダウンストリームへ綺麗にターンオーバーさせたら、食べやすさをアピールするためにサスペンドさせます。
大きな川でドロッパーを組む場合は、ピーコッククイーンの6番をリードフライにセットして、ドロッパーを8番のピーコッククイーンまたは他のセッジを結びます。
戦績
- サクラマス・ヤマメ、アマゴ
- ニジマス
- ブラウントラウト