HDSクラフトフィッシュ
エド吉田が「フライで100魚種」プロジェクトを通じて、15年くらいクラフトファーを使ったストリーマーを巻いてフィールドで実践しつつ、プロタイヤーのマーティン・ホワイトのアドバイスを取り入れながら行き着いた一つの完成形。
バスやシーバスといったフィッシュイーター全般に良く効くイミテーション・ストリーマー。太く作ればコイの稚魚やボラの稚魚、イワシ・ニシン、細く作ればカタクチイワシやキビナゴ、ワカサギにもちょうどいいサイズのイミテーションとして機能します。「フライでやる泳がせ」というコンセプトで比較的にスローに泳がせることが多く、同じプレデターでも頭から回り込んでベイトフィッシュを吸い込む「ヘッドイーター」たちに自然に食わせるパターンなので、マッチザベイトを意識して使い分けます。
フライの特長と構成
ストリーマーをライブベイトだと思って丸呑みしてくる魚が対象となりますので、比較的地味な食わせアクションで使うことが多いため、口の中への入りやすさとシャープなフッキングが求められます。ドヒークHDSは競技用バーブレスだけあって、刺さりの良さ、バレにくさ、強靭さ、さらには飲まれた時の外しやすさが揃っていて、この目的にベストな選択となっています。
クラフトファーはフライのプロフィールをマテリアルのボリュームを変えることで調節しやすく、バルキーにもスリムにもまとめられます。また、絶妙なハリと柔らかさ・水馴染みで強いカレントの中でも形が崩れることが無く、魚が咥える時の違和感を低減できます。またフックへの絡みも少ないのでフッキングの邪魔にもなりません。
スタンダードヘッド: ワカサギからオイカワ・小鮎などのベイトフィッシュ、カタクチイワシやキビナゴからウルメイワシやグルクンなどのベイトフィッシュはこちらで仕上げます。
バルクヘッド: ゆっくりと泳ぐ、コイ・フナやボラ・コノシロの稚魚、オフショアで使うイワシなどはこちらで仕上げます。
ゆっくりと泳ぐベイトフィッシュの表現には、波動とホットスポット効果のあるバルクヘッドで仕上げます。
ステップ解説
テールから取り付けて行く流れで、取り付け位置とアイ一個分開けたポイントの常に1/2の位置に次の取り付け位置が来るように進めていくのがコツです。
パーツごとの締め込みが重要なので、確かな強度と瞬間接着剤の馴染みの良さ、滑り低減のために、テックストリーム GSPパワースレッドの8/0または6/0を強めのドラグがかけられるテンション調節ボビンホルダーにセットします。
クラフトファーの束を切り出したら、使う長さを考慮して後端をカットしてから、指でガードヘアーを取り除きます。
テールの取り付け
テールとなる最初の束をシャンク後端にスレッドで固定します。束をシャンクに合わせてみて、ショート側の余分はアイ一個分空けた位置でカット。3回転で仮止めしたら必ずシャンクと束の隙間にスレッドを1、2回通して締め付けてテールが絡みづらくします。追加で2回で締め付けて固定完了
太めに仕上げる場合: ヘアパッカーを使ってショート側をフレアさせながら後方へ押し付け、スレッドをマテリアルとパッカーの隙間に通します。
スリムに仕上げる場合: 反対にショート側をスレッドで巻き潰して軸とします。
フレアさせた根本を前方から「スレッドダム」と呼ばれる手法で、スレッドを押し付けるように巻いて前方へ戻らないように固定します。
ボディ作り
次の束をショート側が後方に来る様にシャンクを包むように取り付けて固定します。
ヘアパッカーで後方へ押し付けてから
スレッドダムで固定します。
次にベリー側とバック側の両方を取り付けます。
同じくヘアパッカーで後方へプッシュ&スレッドダムで固定。
マテリアルを後方へ撫でつけて、必要であればスレッドダムを追加します。
バルクヘッドの場合: コームでとかしたラムズウールを適量カットしてからフライに当てて長さ目安をつけます。
スタンダードヘッドの場合: 「ヘッドの仕上げ」まで飛ばしてください。
長さ決めができたらスレッドで締め込んで固定。
余分をシザースでカットしたら、スレッドで巻き潰してヘッドを形成してウィップフィニッシュ。
追加オプションでギルやウィードガードを取り付ける場合はこのタイミングで行います。
ヘッドの仕上げ
仕上げの前にバイスから外して指とコームで形を整えます。余分なクラフトファーが飛び出ていたらトリミング。
ストレートタイプのボドキンの先端を使って3Dアイをシートから取ってきます。
ブラシ付き瞬間接着剤で3Dアイを乗せる位置に接着剤を塗ったら、左右対称の位置へ3Dアイを仮止め。
3Dアイが落ちたりしないことを確認したらバイスから外してUVレジン工程へ進みます。脱着式ヘッドのバイスはとても便利!
バルクヘッドの場合はソフトタイプ、スタンダードヘッドの場合はハードタイプのUVレジンを使います。
左右のアイの隙間の上側を埋めるようにUVレジンを乗せたら少し馴染ませてから
UVライト照射で硬化。
下側も同様に埋めてUV硬化。
バルクヘッドの場合: アイ周辺全体を丸く円錐状にUVレジン・ソフトタイプで仕上げます。
スタンダードヘッドの場合: 3Dアイとボディの隙間がなだらかになる程度のUVレジン・ハードタイプで仕上げます。
細いタイプの場合、UVレジン・グミータイプを指先に取ってテール側へ薄く塗って固めます。
ウィードガードをつける場合
HDSよりもサークルポイントになっていて、フックポイントをガードへ引っ掛けやすく、万が一外れてもウィード帯から生還しやすいバーブレス・スティンガーフック、ドヒークHDTを使ってください。
マテリアル
フック:ドヒーク HDS #2、#4、ウィードガードを付ける場合はHDT #2、#4
スレッド:テックストリーム GSPパワースレッド 8/0ホワイト
テール:クラフトファー ホワイト
ベリー:クラフトファーバード ホワイト
バック:クラフトファー オリーブ
バルクヘッド(オプション): ラムズウール
ギル(オプション): テックストリーム アントロヤーン UVピンク
ウィードガード(オプション):
アイ: 3Dアイ
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ツール
強力ドラグでテンション調節できるボビンホルダーの新製品
ブラシ付き瞬間接着剤
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先端がシャープで作業がしやすいボドキン
硬い毛も柔らかい毛も自由自在にパッキングできる使い勝手のいいヘアパッカー
ハード、ソフト、グミーがお得なセット
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タイングベンチに吊ることができるタイプの強力UVライト
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デスクに乗せて片付けたい場合はこちらのUVライト
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ロータリーバイス上で作業を完結したい場合はこちらのUVライト
ただしパワーは落ちます
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使い方: スタンダードヘッド
カタクチイワシからウルメイワシくらいのサイズ、ワカサギからオイカワ・小鮎くらいのベイトフィッシュを「逃げる」アクションで誘います。
ストリッピングの釣りで使う場合。活性が高い時にはあまりカウントダウンせずに着水して馴染んだら小刻みにショートピッチでリトリーブします。活性が低い時は魚のタナまでカウントダウンして、ゆっくりと同じレンジをキープするように長めにリトリーブしていきます。
使い方:バルクヘッド
コイ・フナ、ボラ・コノシロの稚魚が「はぐれ泳ぎ」しているアクションで誘います。
水中での動きが派手ではないため、大きくゆっくりとしたストリッピングを行います。さらに「ヌルヌル」と呼ばれる長い動きはロッドアクションで出すことができます。
スイングさせて探る・誘う場合はノーアクションでテンションだけ維持して流れに任せます。
戦績
- レイクトラウト(ボートフィッシング)
- ラージマウスバス、スモールマウスバス
- ストライプドバス
- シーバス、ヒラスズキ
- ロウニンアジ
- ゴマサバ
- シイラ
タイヤー
Special Thanks
クラフトファーのリバース取り付けを教えてくれたマーティンもクラフトファー愛好家!