「フライフィッシングで100魚種」プロジェクト:2022年度まとめ
アメリカ在住時代の1995年にフライフィッシングを始めてから、どんなフライやタックル、ラインシステムで釣れたか記録しておく習慣の延長で、コツコツ進めたきた「フライで100魚種を目指そう」プロジェクト。新型コロナウイルスの影響で大きく予定が狂い、2年もの間、95魚種目でストップしていました。
そして実に7年ぶりに行くことができた、我が心のオアシス「西表島」。一気に5魚種ゲットして、フライ歴27年目にして、ついに100魚種達成できました!!
96魚種目は大好きなタマン系
川が多く岩礁も珊瑚礁も発達している西表島は面積も大きいこともあって、良いサイズのフラットがいくつかあります。その中でも条件が揃うとタマン系の魚たちが入ってくるのですが、今回は岩そばでナーバスウォーターを見つけて丁寧にフライを置きに行ったら、サイズは大きくないけれど初速の突っ込みが力強い96魚種目、フエフキダイ科では5魚種目となる「マトフエフキ」27cmが釣れました。
97魚種目は宿題だった南国の「岩魚」
今年の西表島ツアーの主目的の一つは、7年前にはドライフライで総スカンされて凹んだ相手。南国の渓流の「岩魚」こと「オオクチユゴイ」が97魚種目となりました。渓流というよりも源流の細かいスポットをマメにチェックしても、警戒心の強さはイワナ以上のオオクチユゴイはそう簡単には出てきません。タウルスのマングローブフィッシングの中で連れて行ってもらった源流で記念すべき1匹目を釣り、そのイメージを自分で入った源流で再現。
ここぞ、というポイントで間を休ませながら小さい魚をどけておいて、ひたすらトレッキングして戻りつつ再度ニンフを打ち込んでやっと出た大人サイズ22cmで更新しました。今年覚えたニンフィングの前に敵なし!
更新:かっこいい放流ヤマメ
今年はあまりドライフライの釣りをやる機会が無かったのですが、その中でも佐藤成史さんのスクールをお手伝いする中で生徒さんへのデモンストレーションで狙って釣れたのがこのかっこいい尺ヤマメ34cm。ドライフライを咥えた瞬間に岩の下へ突っ込んでしまい、それをフットワークを駆使して、生徒さんのエールに応えながらキャッチできた1匹でした。
天然ヤマメは26cm止まりなので、そろそろ尺ヤマメを狙いに計画を立てます。
98魚種目はアート作品
西表島のリーフでヒット直後に何回かサンゴに突っ込まれてロストしたのがこの魚。どうやったら取れるか工夫してキャッチできたのが98魚種目、フエダイ科では5魚種目となる「アミフエダイ」。8番ロッドをパワフルに曲げるだけでなく、透明度の高い水中でアート作品のような魚体が美しく輝きます。25cmがベストサイズでした。
新魚種じゃないけど新人造亜種・・・タイガートラウト
今年は競技フライフィッシングと関わることが多かった1年でしたが、「フライスコアリング」という競技リーグを立ち上げる中で、フライフックのテストを兼ねてソロスコアリングのために立ち寄った管理釣り場でライズ撃ちをしていたら全数がこのトラウト。
ブルックトラウトとブラウントラウトを掛け合わせたF1ですが、「タイガー(虎)」というよりは「レオパード(豹)」のような柄が美しい魚でした。
99魚種目は夫婦!
こちらも西表島のリーフですが、フエフキを抜くテクニックを磨きつつ、競技フライフィッシングで学んだ微妙なアタリを見分けるスキルのおかげで釣れたのが小粒ですがパワフルな「ガンテンメギス」。黒い色がメスで派手な赤い色がオスのセットでキャッチできました。
更新:ゴマフエダイ・・・35cm
今回のマングローブフィッシングの中でのハイライトの一つが、めちゃくちゃタイトな倒木スポットから引き出したゴマフエダイ35cm。以前タイのプーケットで釣ったのは32cmだったので更新です!
ただ、同じポイントでさらに大きい40cmオーバーを初速の突っ込みで全く主導権を取れず倒木に巻かれてロストしてしまいました。
更新:オキフエダイ・・・23cm
これもマングローブですが、普段は15cmにも満たないサイズしか釣れない「オキフエダイ」もサイズ更新!
そして栄光の100魚種目は???
え?なんで100魚種目を発表するまで引っ張るのかって?
やはり100というキリ番は記念すべき魚であるべき!みんなの期待を背負っているので、迂闊に達成したら溜まったもんじゃありませんぜ?海洋堂がフィギュアにしたくなるような魚なんでしょうね?その魚とは:
アカメ?
カラフトマス?
ベニザケ(ヒメマス)?
テッポウウオ?
ゴマモンガラ?
100魚種目は・・・
え、ポニョ???
違う・・・オジサン
オジサン・・・
小さい声で言いますね?
オジサン!
今回投入した「餌フライ」がBRAVO(ブラボー)すぎて、リーフで爆釣している中で迂闊にも達成してしまっていたのでした!
でもよくみると可愛いルックスのキュートな魚で、私は大好きになりました。
かわいいオジサン同士仲良くします!
101魚種目:いつの間にか別種登録されていた「マゴチ」
かなり前にサーフのフライフィッシングにハマっていた時、河口がらみの場所で食い損ねたり、かけても取り込むまでにバラしていた「マゴチ」。2015年の西表島ツアーで釣った「マゴチに似ているけど尻尾が派手な魚」も同じ種に「.sp」が付いてまとめられていたのですが、いつの間にか分類が終わり、今年の西表島ツアーで「ミナミマゴチ」なる名前になっていました。
2019年に浜名湖のサイトフィッシング中に釣れてきたちっさいマゴチが別種になってしまったので、順番に並べてこちらが101魚種目となってしまいました。
まとめ
というわけで、ニューヨーク在住時に初めて釣った1魚種目の「スモールマウスバス」から実に27年目の「オジサン」にしてついに達成した「フライで100魚種」。そこで活動休止しようかなーと考えていたら、分類更新で「101種目」まで進んでしまってました。
一通り釣ってきてひと段落した気持ちと、この道のりで学んだスキルやフライパターンは貴重な経験となりました。引き続き新しい魚種やサイズアップを狙っていこうと思います。100魚種のフィールド、フライ、タックルデータもありますので、分析レポートも面白い発見があればまとめてみようと思います。
今年達成できたのは、西表島というとても豊な自然環境も大きいですが、ユーロニンフを学んだことや数釣りトーナメントを経験することで、「毛鉤で魚を釣る」という、とても肝心で基本的なスキルを学び直したことが大きかったと思います。またジグニンフのタイングを通して、既存のパターンを効果UPできたことも大きいかったです。
また今年もかなり実験的なことができたのは、お互いをサポートする仲間たちがあってこそ!フライフィッシング世界選手権Team Japanのニンフ使いの先輩たち、トーナメントの先輩たち、素敵なフィッシングガイドさんたち、そしてタックルメーカーの皆様へ深く感謝いたします!