夏ヤマメにフライフィッシングとテンカラで挑戦

2020/11/25フライフィッシング,ヤマメ,丹沢,

東京へご家族と旅行に来ていたマークさん(イギリス出身、現カナダ在住)の、「楽しみながら東京ヤマメに初挑戦したい!」という強い要望で、叩かれている秋川や、谷の深い日原川ではなく、養沢毛鉤専用釣場とうらたんざわ渓流釣場へガイドしてきました。イギリスの最近の政情からロックミュージックの話まで色々と盛り上がりつつ、二日間の釣りを通して西洋の里川で発達したフライフィッシングと日本の山岳渓流で発達したテンカラの相違点についても、おおいに発見がある旅でした。

第一部:養沢毛鉤専用釣場

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まずは近場の多摩川水系・秋川支流の養沢川を利用した釣場でウォームアップ。ここにはニジマスとヤマメが常にストックされていて、たまに自然に成育したブラウントラウトやイワナが顔を覗かせる、行きやすく釣りやすい、フライフィッシング&テンカラ専用の私設釣場となっています。

夏の暑さも厳しい日の中、いわゆる「夏ヤマメ」の活性もイマイチな状況で、キャスティングとプレゼンテーションの丁寧なマークさんでさえも苦戦することになってしまいました。やる気のある魚は泡立つ流れ込みに集まってしまい、通常ならばヤマメが出るレーンにニジマスが居座ることに。いいポイントに毛鉤を入れても先にニジマスが釣れてしまいます。また、ニジマスやブラウントラウト(イワナに似ています)の出方に慣れてしまったアングラーが必ず陥る独自のパターンにはまってしまったマークさん。「落として食わす」ではなく、「落とすところを見せてから流して、出させて、さらに繰り返してやっと食わす」が頭ではわかっていてもなかなか飲み込めません。

とはいえ、私自身も繊細な0番タックルを駆使してもニジマスばかりでヤマメが顔を出さない「やばい」状況の中、最後はレベルラインテンカラで狭い流れの白泡の中に落として釣る展開に・・・。やはり余計なものがついておらず、丁寧に毛鉤を繰り返し落とすことができるテンカラは日本の山岳渓流に合わせて発達しただけのことはあります。

第二部:うらたんざわ渓流釣場

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東京の夏ヤマメに大苦戦となった後で、活性が良い釣場といえばやはりここ、ということで相模川水系・道志川支流の神之川を利用したこの釣場へ向かいました。ここは川の広さも十分で、山々から湧いてくる水で水温も安定しています。水温20°を超えると完全に食いが止まってしまうヤマメも、ここならば活性が高いだろうとまずはじっくりとヤマメを観察できる大きい流れでスタート。

今回ははやる気持ちを抑えて、大きなヤマメたちが悠々とトップで捕食する様子を観察したマークさん。ヤマメの動態視力に怪しまれないようにゆっくりと低い位置からキャストを繰り返すこと5回ほど。なんとかヤマメを手にしました。リーダーキャストができる0番タックルが威力を発揮した場面だっと思います。

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ヤマメは難しい魚なのか?

よく巷で言われるのが「ニジマスは簡単でヤマメは難しい」。正しくもあり間違ってもいるといえます。幅広い適水温を活かしたニジマスの貪欲な捕食っぷりはヤマメをしのぎますし、相対的にニジマスの方が放流量が多いので毛鉤に出る頻度が高いのは事実です。しかし、タイミングの乗ったヤマメは水中からものすごい速さでジャンプしてきて空中の毛鉤へ飛びつくことがあるのも事実。それも何度も執拗にジャンプを繰り返す個体さえいます。ニジマスより大きな群れで生活する習慣があるので、北海道などの条件の良い環境では群れに当たれば入れ食いになることさえあります。

ただ、人出の多い管理釣場や里川では警戒心が強くなっていますので、なかなかヤマメ本来のアグレッシブさが発揮されないことと、捕食の時にゾーニングを意識する魚ですので、きちんと一匹の魚のゾーンに毛鉤を流さないとアタックしてきません。「難しい魚」なのではなく、「難しい環境」で釣っているということですね。

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