ラージマウスバス/ブラックバスのフライフィッシング

2023/10/23オオクチバス,オオクチバス属,サンフィッシュ科,ノーザンバス,フライフィッシング,ブラックバス,ラージマウスバス,対象魚

英名: ラージマウスバス/和名: ブラックバス/学名: Micropterus salmoides (Lacepede, 1802)

淡水におけるゲームフィッシングにおいて、頻繁にトーナメントが開催されるほどに、最も人気が高い魚、それがラージマウスバスです。全米のフィッシング人気度では常にNo.1の地位に君臨し、2位のパンフィッシュ(ブルーギルなど)や、3位以下のトラウトやキャットフィッシュなどの追随を許さない王者となっています。

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日本へは丸沼鱒釣会の赤星鉄馬氏により、北米からスモールマウスバスと一緒に放流されたのが初めての移植とされています。1925年に政府の許可に基づき芦ノ湖に放流されて以来、本州各地へ放流が広げられ、戦後は進駐軍のレジャー振興策の中、有望なゲームフィッシュとしてさらに放流が進められた背景があります。

特長

同じ科のスモールマウスバスとは異なり、狙いを定めた獲物をじっくりと観察してから、一瞬で飛び出して大きく広がる口で周りの水と一緒に吸い込んで捕食します。ヒットした後、水面からジャンプをして針を外そうとするファイトには定評があります。常に食欲旺盛で口に入るものなら何でも食べることと、巣作りの習性があるために、容赦なく縄張りへ近づく他の魚を攻撃したりするため、ナチュラルとアクティブどちらのプレゼンテーションでも釣ることができるので奥が深い魚です。

スモールマウスバスとの見分け方は簡単で、ラージマウスバスには側線に沿ってチェカーフラグのような模様が入っています。

生息域

何度か台風で水が出ている多摩川では泳ぎが得意なスモールマウスにとって替わられ、流れの緩い一部の場所限定となりましたが、荒川や旧江戸川では台風の影響を受けづらい水路が入り組んでいることで個体数が保たれています。

都内の公園でも小型が見られ、変わったところでは伊豆諸島・三宅島の大路池にも昔に移植された個体群が生息しています。

またバスポンドを持つエリアでエリアフィッシングで楽しむこともできます。

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フライタックル

貪欲な食性にも関わらず物陰へ隠れたがるバスを攻略するには、ある程度のサイズのフライがキャストできてコントロールもしやすいシングルハンド6番以上が推奨タックルとなります。ヘビーウェイトなフライや空気抵抗が大きいポッパーなどを使う場合、風が強い場合はシングルハンド8番以上がオススメです。またリリースに慣れた個体は素直に抜くことができますが、縄張りを強く意識していたり怒った個体は強烈なファイトを挑んできますので、どこで取り込むか意識しておくことが大事です。

ファイトは長く走ることはせず、障害物へ逃げ込むタイプのファイトとなります。このためストライク直後からのロッドワークが重要となり、通常はフライリールはあまり出番がありませんが、湖などでボートや桟橋などの水深がある場所で狙う場合、底へ突っ込んだ魚とのファイトに必要となるので、1kg程度のドラグ力があるフライリールを使うことをお勧めします。

ちなみに筆者はシングルハンド3番で真下のテトラへ突っ込まれてロッドを折りました。決してウルトラライトタックルの魚では無いのでご注意ください。

野池にいるナーバスな小型のバスを狙う場合は、ユーロニンフィングがおすすめです。

春バス・夏バス・秋バス・冬バス:フライパターン

活性期のバスや夏の早朝やイブニングは積極的に回遊して水面近くの小魚やカエルを捕食するので、トップウォーターで狙えますが、通常はストラクチャーに隠れて待ち伏せしていることの方が多いので、小魚や水生昆虫を模したフライを使ったシンキングゲームがメインとなります。

また非常に定着性が強く、警戒すると隠れてしまうので、フライを1箇所で小刻みにアクションさせる「シェイク」は非常に有効となります。

  • トップウォーター・・・ポッパー、バスバグ、ガートサイドガーグラー、イワイミノー、STPフロッグなど
  • 水面下・・・ヌードル、ダールバーグダイバー、サスペンドミノーなど
  • 中層・ボトム・・・クラウザーディープミノーなど

トップウォーター

水面直下

中層・ボトム

北米の魚がなぜここまで繁殖しているのか

1970年、80年代において、バスフィッシングはタックルやアクセサリーをセットで販売できる魅力的な新ビジネスとして、日本のスポーツフィッシング人気の先導役となりました。特に80年代に入り、ペット産業や釣具産業の企業による積極的な活魚の輸入が行われており、本州全域へ北米産のサンフィッシュ科の魚が生息を急速に拡大していった時期と重なります。魚食文化が根強い日本には古来から釣り人による「有志放流」という文化があり、かなり険しい山奥の沢までイワナを放流してきた実績がありますし、サンフィッシュ科の魚の養殖場が国内にできていたこの時期、罰する法律もなかった時代に全国へ移植させるのはむしろ好んで行われたといってもいいでしょう。 今日みたいに生物多様性に対する理解が無かった時代ですので、現在の本州におけるニジマスが占める位置にバスがいたと想像していただくのが分かりやすいと思います。

現在の規則:外来生物法と条例

外来生物法の対象種となっており、生きたまま運搬したり自宅で飼育することは各都道府県により固く禁じられていますが、全ての都道府県でリリース禁止されているわけではないので、釣り禁止でなければ対象魚として問題ありません。

東京都ではリリースが許可されていますが、神奈川県と埼玉県では禁止されていますので注意してください。

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